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【2月25日】シンポジウム「デーノタメ遺跡が拓く 縄文の世界(1)」後編

シンポジウム「デーノタメ遺跡が拓く 縄文の世界(1)」後編

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投稿者
(市民リポーター)大嶋佐知さん

市民リポーターの大嶋佐知です。
 

シンポジウム『デーノタメ遺跡が拓く 縄文の世界(1)』では、各専門家の報告やパネルディスカッションを通して、デーノタメ遺跡が大きな可能性を持っていることに気づかされました。

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縄文時代は、世界の歴史の中でも驚くほどの長期にわたって継続してきた古代文化ですが、未解明の部分も多数あります。
 

デーノタメ遺跡の特徴が、縄文時代の未解明の部分に切り込んでいけるのか!?
今後の調査・展開が待ち遠しいな~!

 

デーノタメ遺跡の重要性
●中期から後期のムラが、位置を移動しながら完全な形で残されている

●低地部の利用がムラと一体化して残されており、豊富な漆製品などや植物遺体が保存されている

●縄文時代の内陸地域における生活史を豊富な資料が伝える稀有な遺跡である


 


さて、デーノタメ遺跡の出土遺物の中でもっとも目を引くものと言えば、漆塗土器ですよね。

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シンポジウムに合わせて、当日は文化センターホワイ
エにて『漆塗りの実演』(漆工房Shara 小林惠美)
が行われました。
(ひとつの漆器を仕上げるのにもこれだけの道具が
必要、ということにも驚きです!)

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気の長くなるような塗りの作業です。

 

時代と技は違っても、天然素材である漆を器物の装飾や接着剤として用いてきたのは、古代も現代も変わらないのですね。

『英語では漆のことを小文字の「japan」と書くように、漆の利用は日本の基層文化と言えます。デーノタメ遺跡では多量の漆塗土器とともに木胎漆器・漆塗糸・漆塗腕輪、漆パレット等の遺物、さらにはウルシの加工材、花粉等がそろって出土しています。おそらくデーノタメ遺跡の縄文人は、ウルシ林を管理し、ウルシ液を採取し、漆を利用する技術をもっていたのです』(シンポジウムパンフレットより)

 


第4次調査では漆塗土器や木製品のほかに、植物の実・種、昆虫遺体などが多量に見つかりました。

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(シャーレは左から、ニワトコ 核、コウゾ属 核、クワ属 核、ブドウ属 種子、マタタビ属 種子)

 

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‘県内初!’という文字が!
「栽培ダイズの圧痕が残る土器片」です。
土器の表面には様々な圧痕(穴)が見つかり、中には植物の種実や昆虫等の痕跡が含まれています。
圧痕は縄文人の植物利用や身近な環境を知る指標になるのだそうです。

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ちなみに、画像はアズキの圧痕のある出土品。


今回のシンポジウムにおいて、もうひとつ、重要な提案がされました。

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『大事なことは、まず地元が遺跡の存在を知り、その価値をよく理解し、遺跡を【保存】し現代生活に【活用】しながら大事に守っていくことです。地域にとってその遺跡が重要なアイデンティティとなるからです。
地元の文化資源であり文化力を示すことになります。』(シンポジウムパンフレットより)

 

一般的に、埋蔵文化財とは、土地に埋蔵されている文化財(主に遺跡といわれている場所)のことで、周知の埋蔵文化財包蔵地は全国で約46万か所、毎年9000件ほどの発掘調査が行われています。
年間に行われている発掘調査の大多数は、開発で失われてしまう遺跡の情報を記録・保存しておくための「緊急調査」であって、史跡などの文化財指定がなされて遺跡保存を前提として行われる「学術調査」とは異なります。

北本市では、良好な市街地の形成を目指す「久保特定土地区画整理事業」(平成9年2月認可)の計画の進行に伴い、区画整理事業地の北西部に位置するデーノタメ遺跡の発掘調査に乗り出した経緯があります。
 

デーノタメ遺跡では、縄文時代中期の勝坂期~加曾利期EI期を主体とする集落跡が広汎に確認されたことから、区画整理事業における埋蔵文化財への影響が大きいという調査結果がでていますが、すでに区画整理事業も施行認可の公告を受けているところなので、両者のすり合わせが課題となりそうです。
 

北本市長は挨拶の中で「史跡認定をめざす」と何度もおっしゃっていました。
シンポジウム当日には200以上のアンケートが集まったそうですが、その中でも史跡認定を望む声、将来に向けてデーノタメ遺跡の保存を要望する声が多数寄せられたとのことでした。
この点、報告の中で紹介された、千葉県の加曾利貝塚の特別史跡化を目指す地元の人々の活動が参考になりそうです。

 

さらに、史跡に認定された後の【活用】する取組みとして紹介されたのは、

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埼玉県富士見市の水子貝塚公園の例

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秋田県鹿角市の大湯環状列石の例


遺跡の保存、これは本当にたいへんなことです。
『まず地元が遺跡の存在を知り、その価値をよく理解し、遺跡を保存し守っていく』
・・・今回のシンポジウムは、遺跡のあるまちの住人としてどのようにデーノタメ遺跡と向き合っていくのかを考える大きなきっかけとなったように思います。
 

800人余りという高い関心をうかがわせる参加者でしたが、このシンポジウムを通して、さらに多くの市民のみなさま、近隣在住の人たちへ、デーノタメ遺跡の存在が浸透していくのではないでしょうか。
 

今後も第2弾、第3弾とこのような企画が開催される予定とのことですので、ぜひお楽しみに(*^_^*)

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